緋色の7年間

制約を原動力に。法律事務所の弁護士と大手企業の法務担当者が、時に制約と闘い、時に制約を迂回していきます。

司法試験刑法採点実感まとめ(平成28年度版)総評

今年もやってきました、採点実感まとめです。

最初に言っておきたいのですが、刑法(刑事系科目第1問)に限らず、問題の「質」が大幅に低下しています。予備校の模試と大差ないレベルです。採点実感も、ちょっと信じがたいような記述が多いです。これも刑法に限りませんが、無駄に論証パターン批判が書かれていますが、率直に言って、採点実感のほうこそ論証パターン前提のような印象を受けます。全然深いところまで考えて作られていません。どうしてこうなった…

このブログでも予想はしていましたが、「暗証番号」の高裁判例が素材のひとつになっています。もっとも、後々説明いたしますが、出題者は同判例の射程の理解を誤っているのではないかと思われ、正直、1項強盗罪を認めれば足りる事案ではなかったかと思われます(素材判例は現金の引出し行為がない事案であり、本問とは事案を異にする)。

というわけで、もう記事を書く気すら起こさせないレベルの質だったので、ちょっとどうしましょうかね…

 

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