緋色の7年間

法現象を綴ったもの。

ITツールを連携させよう!――今日から始めるデジタルトランスフォーメーション(※注:この記事は DX の解説ではありません。)

とりあえず Slack を導入してみた法律事務所や企業法務部の皆さん、Slack を LINE のように使っていませんでしょうか? まさかとは思いますが組織内で電子メールを頻繁に使っていませんか?

今回はITツールの導入に関するお話です。"SaaS" やら "DX" やら "サブスク" やらの用語云々はあとでいいので(各概念は単なる流行語ではなく核心的な概念なのですが…)、真剣にデジタル化を行っていきたいのであれば、まずはツール連携をできるようになったほうがいいかなと。

1 基本となるツールは3種類あります。

以下の3種類はセットです。それぞれ期待される機能が異なります。連絡ツールにタスク管理の機能を担わせるなど、無理やり別の機能を持たせないように注意してください。たとえば、連絡ツールである Slack や場合によっては電子メールを案件やタスクの管理に使ってしまうようなケースはそこそこあるのではないかと思われます。Chatwork はそのような使い方が想定されているかもしれませんが、基本的には機能別に分離することが鉄則です。

  1. 連絡ツール(コラボレーションハブ) … Slack、Teams、Chatwork など
  2. 保管ツール(オンラインストレージ) … Google Drive、OneDrive、Dropbox など
  3. 管理ツール … Backlog、Asana、Jira、Trello、ClickUp、Chatwork など

(※なお、筆者はすべてのツールを十分に使ったことがあるわけではありません。)

あとはタイムチャージ管理であれば Tracking Time などが使えます。Chatwork は連絡とタスク管理が未分離のツールなので、そこがネックになってきます。多くの組織は「保管ツール」は既に使っていて、最近になって「連絡ツール」を導入してみたけれども十分に使いこなせておらず、十分に使いこなせていないことを自覚することもなく、管理ツールは頭にも過らない、みたいなかんじだと推測されます。

おそらく、試行錯誤を行わなかったり、導入に躊躇して真剣に活用しなかったり、有償版を頑なに使おうとしなかったり、そういうことが原因で活用できていないのだろうと思われます。「失敗したくない」、「どういうものかよくわからない」、「無料ですか?」といった言葉が頭に過ぎったら発想を変えてください。正しくは「早く失敗しろ!」、「わからなければ使え!」、「無料の代わりに何を支払っているのか考えろ!(タダほどこわいものはない!)」です。

それからもうひとつ、既存のマネジメント手法やワークフローを中心に導入を検討しないでください。ここでは組織として一定のスイッチングコストを要する非連続的な変化が求められています。組織内で感覚で反対する者が出てきても導入を強行できるかどうかが経営者として優れているかどうかの分かれ道になってきます。人も組織も時代に合わせて変わっていくことができなければ緩やかに死を迎えるだけです。

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2 ツールを連携させます。

最重要事項として、ツール活用の基本的な戦略は連絡ツール(コラボレーションハブ)に情報を集約することです。これは情報すべてを連絡ツール内部で見られるようにしておくということではありません。必要な情報に対してアクセスが容易な状態に置くことです。つまり、何か外的環境の変化があった場合にはリアルタイムで通知される状態にするということであって、通知から情報源(連携ツールにおけるデータ)を辿るというプロセスとなります。そうすると、連絡ツールには様々なツールを連携させることになり、だからこそ「コラボレーションハブ」と呼ばれるのです。そして、その代表格が Slack です。しばしば作業に集中したいという理由で通知が来るのが嫌だという方がいらっしゃるのですが、その場合には「自分のアカウントの」通知設定のほうをいじることになります。そもそも通知自体を飛ばさないようにすることは最悪の対応です。

そして、ここにいう「必要な情報」という意味は、組織における個人レベルで必要となる情報であって、あらかじめマネジメント側が個人に対して必要だと判断した情報ではありません。あらかじめ必要性を判断するなどというのは原理的に不可能であり、やるべきではありません。環境変化が著しい時代に軍隊型トップダウン組織におけるようなやり方(Need to Know の原則)は通用しません。情報を絞ることによってマネジメントしようとする発想は、もはやとりえないのです。

たしかにITツールは道具であって使い方は多様でありえますが、根本的にはマネジメント手法を時代に即したものにすることが大前提です。ここでの問題はツール自体ではなく環境(特にビジネス環境)のほうだということをご認識ください。変わっているのはコントロール容易なツールではなくコントロール困難な環境のほうであり、環境変化についていくという考え方を持ちましょう。「道具に使われたくない」などと言うコンサバな方々がいらっしゃるのですが、そういう方々が追いついていないのは道具ではなく環境の変化のほうです。もうそういう時代ではないのですよ? いつまで過去のやり方にこだわるのですか?

残念ながら Slack を導入しても投稿を「読めない」人たちが一定数います。環境変化に耐えきれずこれまでのやり方の延長線でしか物事を考えられず、自分で情報を検索できなかったり、チャンネルの動きを把握できなかったりします。年齢が上がるほど、これまでの経験から「報告待ち」、「説明待ち」の状態になりやすく、情報に対して受動的になります。古典的な報連相の在り方が変容しているということに気が付けないのです。そういう人が組織の上に立つと雑談やアンダー・ザ・テーブルのような「あそび」を許容しなくなり、結果として裏でネガティヴな DM のやりとりや社内政治が増加し、組織は足元から腐っていきます。マネジメント層が問題として認識する頃には手遅れです。ITツールの特性を理解し、活用できるかどうかは、ほとんどマネジメント能力に等しくなってきていますので、ITツールに疎いことはマネジメント能力の欠如を意味することになるでしょう。 

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3 もっと連携させます。―― IFFFT、Zapier など

ところで、たまに、リーガルテックで起業したいのでどう思うか?とかプログラミングはどこまでやるべきなのか?とか、そういった相談がなぜかわたしのところに来ます。どんどんやればよいと思いますし、課題認識は大切ですが、「それ既存のツールの連携で解決しませんか?」という話であったりします。少なくともプロトタイピングはそれで足りそうな気がします。

もっと細かい連携をさせたい場合には、IFTTT (イフト) や Zapier (ザピアー) などを活用します。…とはいえ、正直、現状でここまでできる人たちは極めて少ないので、いまここで解説しないことにします。IFTTT あたりは使えてもいいかなと思うのですが…

4 さらに連携させます。―― GAS による応用

IFFFT でも Zapier でも対応できないことをやろうとする場合には GAS (Google Apps Script) を駆使します。ここまでで生存率 0.1% を切ると思うので、説明はしません。

5 GAS を使っても足りないときは…

ようこそ開発の世界へ!

「フレームワーク芸人」にならないように気をつけながら開発をたのしみましょう!

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