症拠手記

法学的実践知を綴ったもの。概念の遡及的変更を繰り返す通時的な読み物としてお楽しみください。

これから法学を勉強する皆さんへ(序)

みなさんは「法」って何だと思いますか? はい、そこのあなた。ふむ、なになに。 …「社会のルール」? なるほど。社会のルールですか。えーと、たとえば? …うん、そうね、「交通ルール」とかね。 はい、なるほど、道路交通法と言い直しましたか。 じゃあ、…

論告及び弁論の法的性質

学者・実務家の皆様の説明がぐちゃぐちゃでとてもとてもいらいらしながら考察を加えました。本日のテーマは「論告及び弁論」(と自由心証主義)です。ほんとわけがわからないよ。観点としては、裁判所と当事者の権限分配のお話といったところですかね… 1 主…

刑事手続の基本設計

今回は、刑事手続の基本設計について見てみましょう。 刑事手続の基本設計は「公判手続」(刑事裁判)を中核として展開されます。この公判手続を「なぜこの人は罪を犯したのか」などといった「実体的真実の発見」のためにあるものと考えると、裁判所(多くは…

「ケース・セオリー」とは何か

今回のテーマは、刑事弁護における「ケース・セオリー」です。 ケース・セオリーとは、日本の刑事弁護実務においては、「当事者が求める結論が正しいことを説得する論拠」をいいます。が、この定義については、個人的にはややポイントがずれているように思い…

新ブログのご案内

ご無沙汰しております。 この度、タイトルを「症拠手記」として、新たにブログをはじめることにしました。 旧ゆるふわ刑法ブログには斜線を引き、コンセプトに対し大幅な変更を加えます。 以下、あまり噛み砕かずに概要を説明します。 これまでの私の問題関…

更新終了のお知らせ

お久しぶりです、こんにちは。 えーと、たいへん申し上げにくいのですけれど、本ブログの中の人の司法試験合格に伴いまして、本ブログの更新を終了いたします。これまでご愛読くださいました皆様には深く御礼申し上げます。このブログも学部時代から始めて3…

IBM のワトソン (Personality Insights) に性格を診断してもらったよ!※ネタ

えーと、ごめんなさい。今回は、完全に、徹頭徹尾、ネタです。 この記事を読んでも得られるものはゼロだと予告しておきます。 IBMという外資系のIT企業はさすがにご存じかと思いますが、その人工知能にワトソン Watson というのがありまして、それで色々分析…

法学系以外書籍の感想

こんにちは〜 本日のテーマは、法学系以外の書籍レビュー第1弾です(なお、第2弾以降は未定)。今回は5冊の書籍をご紹介します。この夏休みの読書課題とかにどうぞ。 1 『経営の針路』〜これまでの30年とこれからの30年のお話 経営の針路―――世界の転…

情報雑感2(情報の偏りについて)

1 情報源について こんにちは〜 今回は「情報の偏り」に至るまでのプロセスについて考えてみたいと思います。 まず、情報源についてブレイクダウンすると、下図のとおりです。 情報源は、大きく「コミュニティ」と「情報媒体」に分類できます。「パロール」…

書籍いろいろ

こんにちは〜 本日のテーマは「書籍」です。 「書籍」は、本質的には、有体物に視覚的に読むことができる形で記載された文字列や図形、つまり情報です。情報源の一種ということになります。法学系の書籍は、判例集・判例解説やコンメンタールを除けば、だい…

情報雑感

こんにちは〜 本日のテーマは「情報」です。概念が広すぎる気もしますので、馴染みのある領域に話を限っていきたいと思います。 情報とは、不確実性を減ずるものと定義されます。 現代資本主義社会では、各々が不完全で断片的な情報をもっており、その情報格…

これからの法務問題を考えよう2017

こんにちは〜 本日のテーマは「これからの法務問題」です。もはや刑法とか全然関係なくなってきてますけど、まぁそういうてきとうなブログなんで。きっと本業のほうを超まじめにやってる反動です。ほんとに。たぶん。回顧的な刑法学より考えてて明るくなれる…

製作委員会方式と集団投資スキーム

0 イントロ こんにちは〜 本日のテーマは、そこそこ話題の「製作委員会」です。 先日、アニメーターさんとかの労働環境問題が報道されてましたけれど、製作委員会のせいじゃないんで。広告代理店は関係ないんで(某事件で有報記載のコポガバ体制がハリボテ…

詐欺罪と重要事項性〜特にチケット転売行為について

こんにちは〜 本日のテーマは、詐欺罪(刑法246条)の「欺罔行為」です。約1年ぶりに刑法分野の論点です(刑法ブログだけど)。 どうでもいいんですけれど、この業界、他人の悪口を言う人(というか無駄にプライド高い人)が異常に多いので、関係者の発言は…

よくわかる社会保障制度(ウソ)

1 はじめに こんにちは〜 本日のテーマは「社会保障」です。 先日、うっかり「社会保障と保険の勉強会でもやりますか〜」みたいなノリで自主勉強会を企画してしまったために、泥沼になっている今日のこの頃。なにこの複雑さ。理論も体系もあったものじゃな…

司法警察活動と行政警察活動

◆刑事訴訟法は体系的に理解できない こんにちは~ 今回のテーマは、「司法警察活動」と「行政警察活動」についてです。 はじめにお断りをしておきますと、刑訴法なんか体系的に理解できるわけがないですし、原理・原則を習得することなんかも不可能ですから…

二次創作って違法なの?

回答:わからない。 ということで、本日のテーマは「二次創作」です。 もう結論を先出ししていますけれど、全然わかりません。なぜならば、著作権法(昭45法48)をはじめとする知的財産法領域は、特に定型的な判断が困難な領域だからです。 弁護士でもかなり…

間奏

今回「も」くだらない記事で恐縮です。 考えれば考えるほど何が正しいのかわからなくなってきますね。 ほんとこのブログの過去記事とか今振り返ると溜息しか出ない。ダメだこりゃ… もうちょっと敬愛する諸先生方がネットで(わかりやすく!楽しく!)情報を…

GPS捜査の強制処分該当性と憲法35条の基本権

※U.S. v. Jones 132 S.Ct. 945 (2012) を読んでページ最下段に追記しました(平成29年3月21日)。 こんにちは~ 今回のテーマは「GPS捜査」の最高裁判例(最大判平成29年3月15日)です。時事的なネタをメインに取り扱いたくないというのが本ブログのスタンス…

用語法の闇について

こんにちは~ 本日のテーマは、法学における「用語法」です。用語法なんか気にすれば気にするほどいくらでも問題にできるので、気にしないほうがいいのですが。 法律家はマスメディアに対して過剰にその用語法を攻撃しているのではないかと感じます。たとえ…

イデオロギーと伝統

1 「ルビンの壺」の意味するところ 最近、諸事情から抽象度が高くなってきていて恐縮ですが、本日のテーマは「イデオロギー」です。 まずは、以下の作品をご覧ください。 (Wikipedia「ルビンの壺」より引用。) 言うまでもなく、白い部分に注視すれば「壺…

法律情報のフィルタリング的な何か

本日のテーマは、混沌とした法律情報のフィルタリングの仕方です。 読者層的に、このブログで言っても仕方ないような気もするんですが。 【フィルタリング方法】①から順にフィルタリングする。 条文・判例が引用されていること 文献が引用されていること 注…

「フェイク・ニュース」と事実報道

インフルエンザが流行っているみたいなので皆様、お気を付けくださいませ…(どうでもいいですけど、「ファッションが流行」みたいな違和感が…) 本日のテーマは、「フェイク・ニュース」です。 フェイク・ニュースとは、読んで字のごとく内容虚偽の事実報道…

これからさくっとてきとうに正義論の話をしよう――市場・国家・共同体

0.イントロ 本日のテーマは「正義論」です。一時期、サンデル教授の白熱教室で話題になりました。たいそうな名前がついていますが、法哲学(あるいは倫理学や政治学)の一領域をそう呼んでいるだけです。とりあえず「正義」の定義や、何の領域の問題なのか…

演習書の採点基準を(勝手に)つくろう!

本日は、市販されている演習書における採点基準の自作について考えてみます。 自分で採点基準をつくってみると勉強の仕方が変わる……かも、といういい加減な発想に基づき、今回は、演習書の採点基準を(勝手に)つくってみます。 というわけで、粟田知穂先生…

「占い学」序説

あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いいたします。 人が並びすぎていて、おみくじを引くのは諦めました。 というわけで、今回のテーマは、「占い学」です。 えーと、はじめに言っておきますが、別に「占い」自体は、詐欺(刑法246条1項)で…

司法試験刑法採点実感まとめ(平成28年度版)刑法各論財産犯以外編

こんにちは~ 今回は、「財産犯以外」の事案分析についてです。昨年度版からあまり付け足すことがないのですが、一応、アップデートしました。 1 殺人罪 (1) 殺意の認定 故意(刑法38条1項)とは、構成要件該当事実の認識をいい、特に殺人罪における故意を…

具体的な事案の想像って難しいよね

はじめてミディエイターをやってみて心が折れそうになっている今日のこの頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか? 人間の感情というのはたいへん厄介なもので、自分が合理的に考えてこれがよいと思っても当事者からすると望んでいないということが多々あります…

司法試験刑法採点実感まとめ(平成28年度版)刑法各論財産犯編

この記事では、刑法各論の「財産犯」に関する採点実感を整理してみたいと思います。どうでもいいのですが、平成28年の採点実感から明朝体に変わったのはなぜなのでしょうか…。そして昨年に引き続きページ数を振ってくれない…(書式を揃えようとか思わない…

司法試験刑法採点実感まとめ(平成28年度版)刑法総論編

刑法総論における「事案分析」について、具体的に考えていきたいと思います。なお、これまでの採点実感を読む限りでは、各採点実感の間でも言ってることに矛盾があるように思われるので、あまり採点実感を神聖視・絶対視しないほうがよいでしょう。採点実感…

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