1 業務効率化の「ずっと先のほう」 あー、えー、先に前回の弁解をしておきますか。 第1回ではとてもざっくり現状を見つつ、業務効率化の先を見据えたいよねという趣旨のお話をしました。別に業務効率化の路線自体が悪いわけではありません。実際のところ、…
あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願い申し上げます。 本稿のテーマは「リーガルテックの将来像」です。 具体的なプロダクトやサービスの解説は一切しません(取り上げた取り上げないで禍根を残したくないし)。第1回では、みなさんの頭の…
第1 原則論 平成30年11月29日付「ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドライン」(以下「本件ガイドライン」といいます。)が公表されましたので、学術的観点から細かい点を検討しようという試みです。 まず、本件ガイドラインが…
2018年7月12日 更新 こんにちは~ 今回読んだ書籍は、落合陽一『デジタルネイチャー』(PLANETS、2018年。以下「DN」といいます。)です。 私自身はもともと物理学方面の人間でしたが、もはやそんな時代は忘れたので、本書の正確な読解は無理ですね。ググれ…
えーと、これから予備試験に向けて勉強をするという方からメールが届きまして、一般論として「定義」がどの部分のことを言っているのかわからないという趣旨の質問を頂きました。 わたしは予備校教師ではないので試験絡みの法律学習相談は受けていないですし…
こんにちは~ GWたのしんでますか~? 人付き合いの悪い私は、GWの半分くらいは読書して過ごしておりまして、ここまでで計十数冊読みました。今回は、その十数冊の中から興味深いと思った書籍一冊の感想文(に託けた批判的自説展開)です。松尾陽編『ア…
みなさんは「法」って何だと思いますか? はい、そこのあなた。ふむ、なになに。 …「社会のルール」? なるほど。社会のルールですか。えーと、たとえば? …うん、そうね、「交通ルール」とかね。 はい、なるほど、道路交通法と言い直しましたか。 じゃあ、…
学者・実務家の皆様の説明がぐちゃぐちゃでとてもとてもいらいらしながら考察を加えました。本日のテーマは「論告及び弁論」(と自由心証主義)です。ほんとわけがわからないよ。観点としては、裁判所と当事者の権限分配のお話といったところですかね… 1 主…
今回は、刑事手続の基本設計について見てみましょう。 刑事手続の基本設計は「公判手続」(刑事裁判)を中核として展開されます。この公判手続を「なぜこの人は罪を犯したのか」などといった「実体的真実の発見」のためにあるものと考えると、裁判所(多くは…
今回のテーマは、刑事弁護における「ケース・セオリー」です。 ケース・セオリーとは、日本の刑事弁護実務においては、「当事者が求める結論が正しいことを説得する論拠」をいいます。が、この定義については、個人的にはややポイントがずれているように思い…
ご無沙汰しております。 この度、タイトルを「症拠手記」として、新たにブログをはじめることにしました。 旧ゆるふわ刑法ブログには斜線を引き、コンセプトに対し大幅な変更を加えます。 以下、あまり噛み砕かずに概要を説明します。 これまでの私の問題関…
お久しぶりです、こんにちは。 えーと、たいへん申し上げにくいのですけれど、本ブログの中の人の司法試験合格に伴いまして、本ブログの更新を終了いたします。これまでご愛読くださいました皆様には深く御礼申し上げます。このブログも学部時代から始めて3…
えーと、ごめんなさい。今回は、完全に、徹頭徹尾、ネタです。 この記事を読んでも得られるものはゼロだと予告しておきます。 IBMという外資系のIT企業はさすがにご存じかと思いますが、その人工知能にワトソン Watson というのがありまして、それで色々分析…
こんにちは〜 本日のテーマは、法学系以外の書籍レビュー第1弾です(なお、第2弾以降は未定)。今回は5冊の書籍をご紹介します。この夏休みの読書課題とかにどうぞ。 1 『経営の針路』〜これまでの30年とこれからの30年のお話 経営の針路―――世界の転…
1 情報源について こんにちは〜 今回は「情報の偏り」に至るまでのプロセスについて考えてみたいと思います。 まず、情報源についてブレイクダウンすると、下図のとおりです。 情報源は、大きく「コミュニティ」と「情報媒体」に分類できます。「パロール」…
こんにちは〜 本日のテーマは「書籍」です。 「書籍」は、本質的には、有体物に視覚的に読むことができる形で記載された文字列や図形、つまり情報です。情報源の一種ということになります。法学系の書籍は、判例集・判例解説やコンメンタールを除けば、だい…
こんにちは〜 本日のテーマは「情報」です。概念が広すぎる気もしますので、馴染みのある領域に話を限っていきたいと思います。 情報とは、不確実性を減ずるものと定義されます。 現代資本主義社会では、各々が不完全で断片的な情報をもっており、その情報格…
こんにちは〜 本日のテーマは「これからの法務問題」です。もはや刑法とか全然関係なくなってきてますけど、まぁそういうてきとうなブログなんで。きっと本業のほうを超まじめにやってる反動です。ほんとに。たぶん。回顧的な刑法学より考えてて明るくなれる…
0 イントロ こんにちは〜 本日のテーマは、そこそこ話題の「製作委員会」です。 先日、アニメーターさんとかの労働環境問題が報道されてましたけれど、製作委員会のせいじゃないんで。広告代理店は関係ないんで(某事件で有報記載のコポガバ体制がハリボテ…
こんにちは〜 本日のテーマは、詐欺罪(刑法246条)の「欺罔行為」です。約1年ぶりに刑法分野の論点です(刑法ブログだけど)。 どうでもいいんですけれど、この業界、他人の悪口を言う人(というか無駄にプライド高い人)が異常に多いので、関係者の発言は…
1 はじめに こんにちは〜 本日のテーマは「社会保障」です。 先日、うっかり「社会保障と保険の勉強会でもやりますか〜」みたいなノリで自主勉強会を企画してしまったために、泥沼になっている今日のこの頃。なにこの複雑さ。理論も体系もあったものじゃな…
◆刑事訴訟法は体系的に理解できない こんにちは~ 今回のテーマは、「司法警察活動」と「行政警察活動」についてです。 はじめにお断りをしておきますと、刑訴法なんか体系的に理解できるわけがないですし、原理・原則を習得することなんかも不可能ですから…
回答:わからない。 ということで、本日のテーマは「二次創作」です。 もう結論を先出ししていますけれど、全然わかりません。なぜならば、著作権法(昭45法48)をはじめとする知的財産法領域は、特に定型的な判断が困難な領域だからです。 弁護士でもかなり…
今回「も」くだらない記事で恐縮です。 考えれば考えるほど何が正しいのかわからなくなってきますね。 ほんとこのブログの過去記事とか今振り返ると溜息しか出ない。ダメだこりゃ… もうちょっと敬愛する諸先生方がネットで(わかりやすく!楽しく!)情報を…
※U.S. v. Jones 132 S.Ct. 945 (2012) を読んでページ最下段に追記しました(平成29年3月21日)。 こんにちは~ 今回のテーマは「GPS捜査」の最高裁判例(最大判平成29年3月15日)です。時事的なネタをメインに取り扱いたくないというのが本ブログのスタンス…
こんにちは~ 本日のテーマは、法学における「用語法」です。用語法なんか気にすれば気にするほどいくらでも問題にできるので、気にしないほうがいいのですが。 法律家はマスメディアに対して過剰にその用語法を攻撃しているのではないかと感じます。たとえ…
1 「ルビンの壺」の意味するところ 最近、諸事情から抽象度が高くなってきていて恐縮ですが、本日のテーマは「イデオロギー」です。 まずは、以下の作品をご覧ください。 (Wikipedia「ルビンの壺」より引用。) 言うまでもなく、白い部分に注視すれば「壺…
本日のテーマは、混沌とした法律情報のフィルタリングの仕方です。 読者層的に、このブログで言っても仕方ないような気もするんですが。 【フィルタリング方法】①から順にフィルタリングする。 条文・判例が引用されていること 文献が引用されていること 注…
インフルエンザが流行っているみたいなので皆様、お気を付けくださいませ…(どうでもいいですけど、「ファッションが流行」みたいな違和感が…) 本日のテーマは、「フェイク・ニュース」です。 フェイク・ニュースとは、読んで字のごとく内容虚偽の事実報道…
0.イントロ 本日のテーマは「正義論」です。一時期、サンデル教授の白熱教室で話題になりました。たいそうな名前がついていますが、法哲学(あるいは倫理学や政治学)の一領域をそう呼んでいるだけです。とりあえず「正義」の定義や、何の領域の問題なのか…