緋色の7年間

制約を原動力に。法律事務所の弁護士と大手企業の法務担当者が、時に制約と闘い、時に制約を迂回していきます。

司法試験(抑圧された記憶)

演習書の採点基準を(勝手に)つくろう!

本日は、市販されている演習書における採点基準の自作について考えてみます。 自分で採点基準をつくってみると勉強の仕方が変わる……かも、といういい加減な発想に基づき、今回は、演習書の採点基準を(勝手に)つくってみます。 というわけで、粟田知穂先生…

司法試験刑法採点実感まとめ(平成28年度版)刑法各論財産犯以外編

こんにちは~ 今回は、「財産犯以外」の事案分析についてです。昨年度版からあまり付け足すことがないのですが、一応、アップデートしました。 1 殺人罪 (1) 殺意の認定 故意(刑法38条1項)とは、構成要件該当事実の認識をいい、特に殺人罪における故意を…

司法試験刑法採点実感まとめ(平成28年度版)刑法各論財産犯編

この記事では、刑法各論の「財産犯」に関する採点実感を整理してみたいと思います。どうでもいいのですが、平成28年の採点実感から明朝体に変わったのはなぜなのでしょうか…。そして昨年に引き続きページ数を振ってくれない…(書式を揃えようとか思わない…

司法試験刑法採点実感まとめ(平成28年度版)刑法総論編

刑法総論における「事案分析」について、具体的に考えていきたいと思います。なお、これまでの採点実感を読む限りでは、各採点実感の間でも言ってることに矛盾があるように思われるので、あまり採点実感を神聖視・絶対視しないほうがよいでしょう。採点実感…

司法試験刑法採点実感まとめ(平成28年度版)総評

今年もやってきました、採点実感まとめです。 最初に言っておきたいのですが、刑法(刑事系科目第1問)に限らず、問題の「質」が大幅に低下しています。予備校の模試と大差ないレベルです。採点実感も、ちょっと信じがたいような記述が多いです。これも刑法…

『エクササイズ刑事訴訟法』の感想

今回は、刑事訴訟法の事例演習本である『エクササイズ刑事訴訟法』の紹介です。書いてる人は検察官で、昨年まで司法試験考査委員だったみたいです。 エクササイズ刑事訴訟法 作者: 粟田知穂 出版社/メーカー: 有斐閣 発売日: 2016/03/02 メディア: 単行本(…

「司法試験の採点実感等に関する意見(刑事系科目第1問)」のまとめ(平成20年~平成27年)刑法各論財産犯以外編

こんにちは~ 今回は、「財産犯以外」の事案分析についてです(前回は「財産犯」についてでした)。 1 殺人罪 (1) 殺意の認定 故意(刑法38条1項)とは、構成要件該当事実の認識をいい、特に殺人罪における故意を、実務上、「殺意」と呼びます。答案で殺…

「司法試験の採点実感等に関する意見(刑事系科目第1問)」のまとめ(平成20年~平成27年)刑法各論財産犯編

この記事では、刑法各論の財産犯に関する採点実感を整理してみたいと思います。ただ、背任罪に関しては、知識全般が書けていないものとして指摘されていますから、以下で述べることよりも、背任罪の基本事項を優先して勉強したほうがよいかと思われます。 1…

「司法試験の採点実感等に関する意見(刑事系科目第1問)」のまとめ(平成20年~平成27年)刑法総論編

刑法総論における「事案分析」について、具体的に考えていきたいと思います(→前回は総評編でした)。 1 行為論:行為を分断しすぎ or 統合しすぎ 残念ながら行為の統合と分断の問題(行為の特定の問題)に関しては、ほとんど経験の多さによるところが大き…

「司法試験の採点実感等に関する意見(刑事系科目第1問)」のまとめ(平成20年~平成27年)総評編

◆「採点実感等に関する意見」について お久しぶりです~。あけましておめでとうございます~ 今年もやってきました、司法試験のお話です。 現行の司法試験制度では「出題趣旨」とは別に「平成〇〇年司法試験の採点実感等に関する意見(××系科目第△問)」(以…

『刑法実践演習』の感想

ここでいったん書籍紹介です。 なかなか面白い「判例付演習書」が出てきたので、紹介してみます。 刑法実践演習 作者: 甲斐克則,内山良雄,小田直樹,小名木明宏,神例康博,北川佳世子,島岡まな,杉本一敏,十河太朗,二本?誠,日山恵美,渡邊卓也 出版社/メーカー: …

図解伝聞法則

◆伝聞法則の事例問題 本日のテーマは「伝聞法則」です。司法試験の問題を素材に、ラビリンスな伝聞法則の問題を考えてみたいと思います。 (※2016年3月11日更新) 【問題】 検察官は、公判期日において、下記捜査報告書につき、「殺人及び死体遺棄に関する犯…

「論証パターン」の作り方

こんにちは~ 今回のテーマは「論証パターンの作り方」です。ええ、「論証パターン」です。 法学は暗記の学問(というのがあるのか?)ではありませんが、「試験においては」暗記必須です。その場で条文を読んでイチから自分の頭で考えて解答すべき……なわけ…

平成22年度旧司法試験第二次試験論文式 刑法第1問 解答例

▼問題と出題趣旨と「ふんわり解説」 <a href="http://takenokorsi.hatenablog.com/entry/2014/10/04/194543" data-mce-href="http://takenokorsi.hatenablog.com/entry/2014/10/04/194543"&…

司法試験「採点実感等に関する意見」のまとめ(平成26年度版)各論編

こんにちは~ 刑法総論編に続きまして、今回は、後編の「刑法各論」の事案分析についてです。 考査委員からは「総論に比較して各論の問題点について的確に論述する能力が欠けているのではないか」との感想が寄せられています(H24・26頁)。また、「答案を…

司法試験「採点実感等に関する意見」のまとめ(平成26年度版)総論編

◆「採点実感等に関する意見」について こんにちは~ 今回は、司法試験の話です。 現行の司法試験制度では「出題趣旨」とは別に「採点実感等に関する意見」(以下、「採点実感」)なるものが公表されています。平成27年3月24日現在で、平成20年から26年までの…

司法試験「採点実感等に関する意見」のまとめ(刑法平成20~25年)後編

※加筆・修正しました。2014/11/29 前編(総説)および中編(刑法総論)に続きまして、今回は後編の「刑法各論」の事案分析(と知識)についてです。前編で書きましたが、考査委員からは「総論に比較して各論の問題点について的確に論述する能力が欠けている…

司法試験「採点実感等に関する意見」のまとめ(刑法平成20~25年)中編

◆事案分析で陥りやすいミス 前編で書きましたように、採点実感を読む限り、試験委員から問題点として最も指摘されているのは「事案分析」の能力の欠如です。ここで言っている「事案分析能力」とは、「事実関係を的確に分析・評価し、具体的事実に法規範を適…

司法試験「採点実感等に関する意見」のまとめ(刑法平成20~25年)前編

◆「採点実感等に関する意見」について こんにちは~ 今回は、司法試験のお話です。現行の司法試験制度では「出題趣旨」とは別に「採点実感等に関する意見」(以下、「採点実感」)なるものが公表されています。平成26年11月26日現在で、平成20年から25年のま…

平成20年度旧司法試験第二次試験論文式 刑法第2問 ふんわり解説

こんにちは~ 今回はやたら多論点な問題でした。本問のように、知ってるか知らないかで勝負がついてしまうような問題は、択一に限ってほしいところです。そこまで頭を使わないので、事例問題としては微妙な部類だと思います。とりあえず、判例多すぎ…細かす…

平成20年度旧司法試験第二次試験論文式 刑法第1問 ふんわり解説

こんにちは~ 久しぶりに旧司法試験の過去問解説です。 今回の問題は、念頭に置かれている判例・学説が古いせいか、けっこう単純だったように思いますが、よく考えるときわどかったりします。現在の司法試験との関係も考えると、いかにあっさりと書くかがポ…

平成21年度旧司法試験第二次試験論文式 刑法第2問 ふんわり解説

平成21年の問題は、なんでこんなに難しいのでしょうね…(TT) 今回は、一種の社会常識が必要な問題です。 第 2 問 甲は,国際旅行協会(AIT)という団体を設立し,AITには有効な国際運転免許証を発行する権限がないにもかかわらず,AITの名前で,…

平成21年度旧司法試験第二次試験論文式 刑法第1問 ふんわり解説

本日の問題は、ものすごーく難しかったです。。これ、出題者自身は解答できるんでしょうか…(/_ ; ) 第 1 問 甲及び乙は,路上を歩いていた際,日ごろから仲の悪いAと出会い,口論となったところ,立腹したAは甲及び乙に対し殴りかかった。甲は,この機…

平成22年度旧司法試験第二次試験論文式 刑法第2問 ふんわり解説

ブログ書くのも、けっこう時間がかかるんですね…(記事ひとつで午前中が吹き飛ぶ…) 第 2 問 甲は,紳士服の専門店であるA社の営業担当者として高級紳士服の販売を担当していた。甲は,遊ぶ金に困ったことから,顧客から金銭を入手してこれに充てようと考…

平成22年度旧司法試験第二次試験論文式 刑法第1問 ふんわり解説

旧司法試験の解説的な試み。初学者向け(のつもり)。今のところ、解答例なし。 ※追記:解答例をつくってみました(→H22刑法第1問解答例) 第 1 問 甲は,かつて働いていたA社に忍び込んで金品を盗もうと考え,親友であるA社の従業員乙にこの計画を打…

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